【※"ラメン食ぶる悲しい受験生(随筆)"から移転した記事】
高校の時の同級生と三人で飲んでいた時に、
「ビールを1リットル飲むと水分が1.5リットル蒸発するから、結局0.5リットルの脱水になる」
と、一人が言った。
その情報を聴いた私は不信に思い、「嘘だね」って嘲笑しながらもう一人に同意を求めたら、
「嘘じゃないよ常識だよ」と言われた私。
…最近ブームの知識か知らないが、三人の内の二人がさもあらんという感じであった。それでも私は信じられなかった。
仮にそうだとすれば、真夏のビアガーデンで脱水症患者続出!!な筈なのだが、さのような記事なぞ見かけたことないし。水分補給しながらビア飲みしてるサラリマンもそうそうお目にかかれない。
実際私自身、飲む際はアルコールしか摂取していないにもかかわらず、倒れたことなんて一度も無い。当仮説は絶対嘘に違いない。たかが中堅国立大卒者とサッカー馬鹿の情報はあてにならないので、東大で助教をなされている同級生様の御意見を拝聴したくメールにて伺った。
助教様いわく、
『ビールの1. 5倍の水分が蒸発するという話だけど、大筋合ってるというのが僕の意見。ただ、信じらんない気持ちもわかるので、少し正確に説明するよ。まず、1. 5倍という数字。これは僕は分からない。で も、お茶や水を飲むのと比べて確実に水分が失われるのは確か。ビールは水分補給にはならない。では、何故失われるか? 1つは体がアルコールを分解するシステムが水を原料とする から。酸化してアルデヒド、その後酢酸までもってくのだけど両方で水が使われる。蒸発ではなく酵素反応で失われる。あとは、ビールに利尿作用があるので、オシッコで水がなくなる。飲んでると体温とかも上がるので汗で無くなる。等かな。酵素反応はゆっくり進むので、ビアガーデンにいる間にひっくり返ることはない。でも、寝る前に水を飲んどかないと十分アルコールを分解できなくて次の日ツライでしょ? 水は大切だから、体がアルコール分解に使う量をうまく調節して、よっぽどのことがなければ脱水症状にならないようにしている。水を補給してやれば酔いが早く覚めるのはこの為。分解の原料を増やして使えるようにしてるんだね。』
とのこと。
そして私は以下の内容を返信した。
『①体がアルコールを分解するシステムが水を原料とする。(蒸発ではなく酵素反応で失われる)
②ビールに利尿作用があるので、オシッコで水がなくなる。
③飲んでると体温とかも上がるので汗で無くなる。
以上が原因で脱水効果が上昇することは分かる。
しかし、ビール自体がほぼ百パーセンテイジ水分で成り立っているから、
①+②+③=脱水する水分<ビールで補給される水分
になると思う。
そうでなければ、1日の水分の大半を酒で摂取する私(アルコールを含む飲料の方がノンアルコールより圧倒的に多い) は、とっくに搬送されてるはず。
しかし、そのような危機は未だない。
このような状況証拠からも、
1.5倍という数値が間違いであり、真相は0.数倍である。 ゆえにビールは、真水と比較すれば低いが、水分補給に成っているというのが、私の見解だが、それで良いかな?』
その後、返信は無かったが、返信ナシということは、反論ナシということなので、結局は最初に登場したズッコケ二人組の情報はペケ。直ちに謝罪を要求する。