本当にあった怖い話し③

私の知人が体験した、身の毛もよだつ話しをしようと思います。

大手企業に勤める光男(仮名)には、年上カノジョの美幸(仮名)がいました。
光男は仕事が忙しかったのですが、美幸が会いたがるので、週末はデートをするように努めました。
光男は一人暮らし、美幸は実家暮らしだったので、デートの日に美幸が光男の家に泊まることが、しばしばありました。

あるデートの帰り、二人が光男の家の最寄り駅で降りた時、
「たまには、こっちから帰ってみよーよ」
と、美幸が言い出しました。
光男は、少々遠回りになるけど、気分転換の散歩にもなるし、まあいっかと、美幸について行きました。

ところが、次のデートも、そのまた次の時も、美幸は遠回りのコースを選択するようになったのです。

「どうして、わざわざ、遠回りするんだ?」

「いいの。いいの。運動運動」

美幸が光男の言うことに耳を貸さずに進むので、光男は仕方が無く後をついて行きました。

「パンフレットいかがですか?」

突然、ある建物の前に居た、礼儀正しそうなスーツ姿の男に声を掛けられ、美幸は立ち止まりました。

「いかがでしょう?」

男が、パンフレットを差し出すと、美幸はそれを手に取り、眺めました。

「あ。良いですね。良いね、これ。ほら見てよ」

美幸は、光男に、パンフレットを見せました。

「お時間あれば、中でコーヒーでもどうぞ」

スーツの男が言った、その時です!






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